砥石に磨かれ飽きられない
長きにわたり契約継続する理由
Q:
では、経営者にとって複数年契約を長きわたって継続する理由は、どこにありますか?
笹川さん:
その理由は、いたってシンプル・・・
人間として、
経営者として、
エグゼクティブ・コーチとして、
私自身がクライアントから飽きられないこと・・・
これ以外、ないでしょうね・・・
それには、私も人知れず多岐な分野にわたり、信頼たるべき専門家、堅実な経営を長期的に推進する経営者らと長年にわたり、お付き合いを続けている背景もあるかと・・・
彼らともたらされる情報、示唆が、実は私が長年人々から飽きられない思考・感性を磨きあげてくれている「研石」となっている・・・
そのあたりは、ペルソナさんに渡す「歩み」の書類に認めているので、ざっと眺めてもらえれば、明確に理解ができるでしょう・・・
そして、経営者が私をコーチに抱えるメリットも、シンプル・・・
それは、私がエグゼクティブ・コーチングを通してクライアントの歴史を数十年来、理解していること・・・
これは何を意味するか?
私がクライアントの性格や思考のクセなど、掌握していることへの信頼感・・・
それは、自分のこと、会社の状況を0からいちいち話す必要がない効率性・・・
だからこそ、不測の事態でも、双方のコミュニケーションは、いつでも早い・・・
また、クライアントである社長に取って代わろうという野望がなく、相談相手として安心感があるらしいですよ・・・
経営者としての才覚の賜物
笹川さん、明日から来なくていいですよ。
Q:
ところで、このエグゼクティブ・コーチというのは、どのくらいの期間を通して行われるものでしょうか?
笹川さん:
基本は、紙切れ一枚で「笹川さん、明日から来なくていいですよ」と言われれば、打ち止めとなるしがない御役目・・・
幸い私の場合、17年間のキャリアで契約締結にいたったクライアントとの契約期間は、平均10年。
本当のところを言うと、エグゼクティブ・コーチは私一人でやっているので、ある年数の付き合いがあるクライアントには面談頻度を隔月、四半期へ契約変更をお願いしている事情も付け加えておきましょう・・・
それよりも、こういうご時世にもかかわらず、倒産企業が一社たりとも出ていないことは、クライアントの経営者としての才覚の賜物でしょうね・・・
ですから、契約期間が短い、長いということよりも、クライアント自身が、
・経営者としてのインフラ整備の必要性
・経費ではなく企業参謀的な存在への必要な投資
・コーチとして役目と活かし方
総合的に判断された結果だと思いますよ・・・
めきめきと変身する経営者
最高なのは互いに尊敬し合う人間関係
Q:
どんな経営者のタイプが、笹川さんのクライアントになるんでしょうか?
笹川さん:
基本は、真面目で謙虚な経営者ですね・・・
そして、「決して答えを教えてほしい」という惨めたらしいことを言わない経営者。
きちんと己の脳ミソで物事を思考し、糸口を見つけ、気づきを見出せる経営者。
こういう経営者は、忍耐強く決して諦めません。
私もやり甲斐も感じますし、それと同時に私の価値、その存在意義、そして役割を十分理解されているので、建設的な対話も中長期的に成立します。
何よりも互いに尊敬し合う人間関係を作れるのが最高ですね・・・
なかには、当初エグゼクティブ・コーチに対して、半信半疑ながらも、現在のままでは立ち行かぬと真剣に思い始めた経営者が、めきめきと変身していくケースも少なくありません・・・こういうケースでのエグゼクティブ・コーチの私は、嬉しさも倍増します・・・
自分の小さな我を捨てる
経営者にもたらされる変化
Q:
エグゼクティブ・コーチングを受けると、経営者にどんな変化がもたらされますか?
笹川さん:
今までクライアントが気付かなかった、
隠れていた感性が、蘇る・・・
少し宗教ぽいかな・・・
また、人間が通常使っている脳は10%
と言われているが、、、
特に右脳が、大きく開花し広がり始める・・・
ですから、
早いクライアントで3ケ月頃より、良き兆候が表れ出す。
遅くとも半年後には、今までの自分自身と違ってきたなとクライアント自身が、感じるようになる・・・
その際にとても大切なのが、、
クライアントが「我を捨てる心持ち」になれるか否か・・・
ここが天下の分かれ道・・・
つまり、経営者の「我」が、私とクライアントとの間の障害になってしまう・・・
何かを得たいのであれば、自分の小さな我を捨てる・・・
大きく化けたいのか?
小さな枠の中でやっていくのか?
私の人生ではないので、ここには正解はないわけ・・・
私には、何事も全体を俯瞰して観ることができるスタイルが確立されています。
試合に出場しているプレイヤーでもないため、クライアントが見えている景色は、大きさも色も違うのです。
この違いが、まさに私に期待されている役割・・・
経営者は、私のコーチングを始めて行く、SNSやマスコミなど無駄な情報に振り回されることがなくなる・・・
悠然と事実を真正面より捉え、客観的かつ深く物事を思考する感覚が、経営者の内側に形作られていく・・・
これが、一番大事なことなんじゃないの?
会話と対話の違いって何ですか?
上下関係なく対等なコミュニケーション
Q:
笹川さんは、「会話」と「対話」を明確に区別していますが、その違いはどこにあるのでしょうか?
笹川さん:
私の定義する「会話」とは、
広く、浅く、誰にでも伝わる一般的なコミュニケーション。
一方、「対話」とは、
上下関係なく、対等な関係の上に成立する、極めて個別的コミュニケーション。
そこには、深く、狭く、個人間同士の質の高い空間が存在していると思う。
エグゼクティブ・コーチの私と経営者との「対話」から見えてくるもの・・・
それは、
過去の歩みから形作られてきた、現在の経営者像・・・
そこから私だからこそ見える、未来の経営者像・・・
その可能性と障壁は、どこにあるのか?
思考、価値観、思想、性格などから・・・見立てを始める。
あらゆる質問を投げかけます
会話15分、対話70分、会話5分
Q:
では、エグゼクティブ・コーチングとは、具体的にどんなイメージで行われるのでしょうか?
笹川さん:
クライアントと月1回、90分の面談をするのが、基本スタイルです。
私からクライアントに対してインタビューを通じ、あらゆる質問を投げかけて進めます。主役であるクライアントには、面談時間の80%はお話しをしていただきます。
面談場所とその時間帯は、非常に大事だと考えています。
クライアントの事務所になりますと、クライアント自身のマインドセットが、ビジネス・モードのまま私との面談に突入となってしまいます。
これは、私が最も避けたい環境です。
そのためには、、
面談をゆったりと落ち着いて行える趣がある場所をお願いしていますね・・・
また、面談中は双方の携帯電話も切ります。
面談の時間帯は、午前中は極力避けて13:30-18:30で行います。
90分の時間配分は、会話15分、対話70分、会話5分です。
「対話」から本質を見定める
「聴く」ことに神経を集中する
Q:
ここで一つ疑問が生まれました。
笹川さんにとっての「質問をする」という行為は、どういうものなのでしょうか?
もし、気をつけている事柄があれば、どんなことがありますか?
笹川さん:
少しだけ時計の針を過去へ戻すと・・・
私の場合は、社会に入ってから、自己主張する必要性も、はたまたそういうことを発揮する環境もなかった。
そこへ、多くの人々のご相談・陳情を受ける御役目が・・・まだ若造な私に・・・私の意図に関係なく、自然の流れで決まっていく・・・
この特殊な環境が、人の話を「聞く」という一つの感性が開花していくベースとなっていく・・・
同時に、家業の社長就任する直前の29歳頃だったと記憶しているが、ある財界人の大御所から言われたことがある・・・
『笹川君・・・貴方は経営者で頑張るよりも、プレイヤーである経営者を導いていくような立場の方が、類まれなる良き力を存分に発揮できるのではありませんか・・・』
その時は、もちろん大事なことを言われているという認識はあったけれど・・・まさか後々そういう未知へ進むとは想像もしてなかった・・・
そこから年月を重ねるごとに、ある事に気付き始める・・・
「いつからか、数えられぬ膨大の人々の話を聞く行為を続けているうちに、その分野の専門家でもない自分が、本質を見定められるようになっているのは、なぜだろうか?」と・・・
そして、「会話」、「聞く」ではなく、
「対話」、「聴く」という行為に、
大切な意義があることに目覚めるまでには、さほど時間は必要としなかった・・・
次第に、そこから 特技?能力?感性?
動物的感覚が磨かれていったのではないかと・・・
その後、
図らずも天職とも言うべきエグゼクティブ・コーチという、まだ日本に存在していない「パイオニア」のようなポジションへ、クライアントになってくださった先輩経営者が、御引き合立てて頂いた・・・
したがって、
正しい問いかけ・・・
適切な質問・・・
私にとっては、ごく普通なことですがね・・・
もし、対話をするうえで気をつけている点があるとすれば・・・
昔から「この大物経営者と奇跡が起こらない限り、二度と会えない」という意識的習慣が確立されており、無意識のうちに全神経を集中させる癖がついているので・・・
クライアントである経営者のタイプにより、その対話スタイルを、若干調整しながら進めるということくらいかな・・・